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【起業編】起業するときに最低限、知っておくべき基礎知識 交際費

2017/10/17

交際費とは?


交際費と聞いて、何をイメージされますか?

接待交際費という言葉があるように、得意先の接待をイメージする人も多いかと思います。
交際費は、得意先の接待だけではなく、社内だけの会食や贈答等、色々なものがあります。


ちなみに、法人税に関する通達上では
以下のように定義しております

『「交際費等」とは、交際費、接待費、機密費、その他の費用で法人がその得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいうのである(略)』

この定義から、得意先等に対して、接待・供応(食事を提供すること)・慰安・贈答・その他の支出をした行為になります。

代表的な交際費は、社内外を問わず飲食に要した支出、旅行・観劇等に要した支出、顧客等への贈答となります。

常識的な感覚として、上記の支出は、会社の事業のための支出なのかグレーな感じもありますよね。
そこで、交際費について、一定の制限が行われております。



交際費の取り扱いは?


まず、交際費の基本的な考え方は、そもそも経費は、事業に必要であれば、直接的・間接的を問わず会社の経費にできます。

しかし、交際費は、円滑な事業活動に必要なのは理解できるが、制限なく使用を認めると、不明朗な支出によって、利益の金額を圧縮して納税額を意図的に少なくする可能性があるため、税務上は、交際費のうち経費として認める金額を制限しています。

つまり、「利益を残して税金を払うくらいなら、会社のお金で、飲み食いしてしまえ!」という行為を、税務上は認めないのです。



では、具体的には、どのように制限をしているのか、見てみましょう。

中小法人(資本金1億円以下の会社)においては、800万円までの接待交際費について損金算入ができます(ちなみに、新設会社の場合、12で割った月数部分についての適用。例えば、当期が3ヶ月の場合、800万×3/12=200万円が限度額となる)。

800万円って、結構な金額ですよね?
会社を設立して、従業員数人で開始した会社が、800万円使用するのは、結構難しいですよね。
飲食・贈答に年間800万円も使用していないという会社は、交際費についての注意点がぐっと減りますので、安心してください。



交際費にならないものは?



さて、交際費について、ここでもうひとつ大切なことがあります。
このことを理解していない人は、結構多くいます。

今まで交際費のことを説明してきましたが、交際費に該当しない支出であれば、そもそも、年間800万円の制限がかかりません。だって、交際費じゃないから。

では、交際費に該当しない、交際費に似ている支出には、どのようなものがあるのでしょうか?
本当は、色々と考えられるのでしょうが、法人税の通達上、交際費に該当しないものとして認めている、主な支出は以下の通りです。

(読みにくかったら飛ばしてしまって大丈夫です。。

一応、ここでは、交際費に該当しない支出があるということをご理解いただければ、大丈夫です。)
  • 飲食その他これに類する行為(以下「飲食等」といいます。)のために要する費用(専らその法人の役員若しくは従業員又はこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用(つまり、自社の人間以外の人も交えた飲食で一人あたりの金額が5,000円未満のもの)【会議費】
  • カレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他のこれらに類する物品を贈与するために通常要する費用【広告宣伝費】
  • 会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用【会議費】
  • 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用【福利厚生費】
  • 創立記念日、国民の祝日、新社屋の落成式などに際し、従業員におおむね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用【福利厚生費】
  • 従業員等(従業員等であった者を含みます。)又はその親族等のお祝いやご不幸などに際して、一定の基準に従って支給される金品に要する費用(例えば、結婚祝、出産祝、香典、病気見舞いなどがこれに当たります。)【福利厚生費】


結局、交際費とはどう付き合っていけばいいの?



交際に該当しないものと該当するもの分けるのが大変ですよね?

また、よくわからない点も色々と出てくるかと思います。

そこで、交際費と上記で記載した交際費に似ているものを合算して考えて、年間800万円に達していなければ、全て交際費としてください。800万円までは、経費となりますので、交際費と交際費以外に厳密に分けても、利益の金額も納税額も変わらないからです。

 
そして、上記合算金額が、800万円を超える場合には、しようがないで、交際費と交際費以外を分けて把握してください。そして、交際費のうち800万円を超える金額については、税務上経費としない取り扱いにしてください。この方法が、簡便かつ、起業直後では、現実的な対応方法かと思います。

如何だったでしょうか?
貴社の事業活動の参考にしていただければ幸いです。


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文責:諏訪祐一郎